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不動産鑑定評価業務と税金

03-売買の参考に鑑定依頼した際の費用(鑑定業務報酬)は譲渡所得税に係る「譲渡費用」に計上できるか?

不動産鑑定評価額を参考に売却した場合、鑑定費用は譲渡費用に計上できる?

不動産鑑定評価のご依頼目的には、「売買の参考のため」というケースが多いように感じています。それでは実際に鑑定結果を参考に売買された場合に、鑑定料(鑑定費用)を譲渡所得税計算上の必要経費(「譲渡費用」)としても問題ないのでしょうか。

ご存じない方のために、まず譲渡所得税について簡単におさらいしておきます。

個人の方が、土地や建物等の不動産を売却した場合、次式にしたがって譲渡所得金額が計算されます。

譲渡価額(収入金額)-必要経費(取得費+譲渡費用)-特別控除額=譲渡所得金額

こうして計算された譲渡所得金額に対し、所有期間に応じた一定の税率を乗じて譲渡所得税額が決まることになります。

上記計算式から明らかですが、土地建物等の売却代金から差し引かれる必要経費として、「譲渡費用」が多くなればその分譲渡所得金額は少なくなり、税額も小さくなります。

それでは、譲渡費用」にはどのようなものがあるのかといいますと、税務署で配布されている「譲渡所得の申告のしかた」と題された手引書によると、「①仲介手数料、②測量費など譲渡のために直接要した費用のほか、③貸家の売却に際して借家人に支払った立退料、④土地の売却に際して建物を取り壊した場合の取壊し費用や取壊し損などの金額」で、「(注)修繕費や固定資産税のような資産の維持、管理に要した費用は含まれません。」とされています。

国税庁のHPをみましたが、参考のために依頼した鑑定費用がこの譲渡費用に含まれるか否かは定かではありません。

結論的には、上記例示の②測量費に代表されるような「譲渡のために直接要した費用」に該当するかが論点となりそうです。譲渡費用として認められるか否かはケースバイケースでしょうから、鑑定評価を参考に不動産を売買された方は、事前に税理士先生や税務署にご相談のうえ、申告されることをおすすめするにとどめたいと思います。

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