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不動産取引等と税金

03-固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

ご自宅やアパートの固定資産税・都市計画税が正しく計算されているか確認したことはありますか?

不動産鑑定評価における各手法の適用過程においては、所得税、法人税、消費税等の税額を計上しないのが通常ですが、収益還元法を適用する際の純収益査定においては、公租公課(費用の一部)として土地建物保有に係る固定資産税・都市計画税を考慮します。

ここでは、毎年お住まいの区市町村により課税される固定資産税や都市計画税がどのようなものか、またその税額計算がどのようになされているのかを見てみましょう。

1.固定資産

固定資産とは、土地、家屋、償却資産の総称です。

(1)土地

田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地(雑種地)

(2)家屋

住宅、店舗、工場(発電所、変電所含む)、倉庫、その他の建物

(3)償却資産

構築物、機械、装置、船舶、航空機、工具、器具、備品などの事業用資産で、法人税又は所得税で減価償却の対象となる資産。ただし、自動車税、軽自動車税の課税対象となるものを除く。

なお、ここでは償却資産については割愛します。

2.納税者(納める方)

毎年1月1日現在、土地・家屋の所有者として、所在する市町村の固定資産課税台帳に登録されている方に対して課税されます。

不動産取引の実務においては、売主と買主との間で、所有期間に応じて税負担を按分するのが通常ですが、これは当事者間の契約によるものであり、課税主体に対する最終的な納税義務は課税された者、すなわち1月1日の台帳登録者となります。

3.税額

土地・家屋ともに次式のとおりです。

固定資産税:課税標準額※×税率(東京都は1.4%)-軽減額等=税額

都市計画税:課税標準額※×税率(東京23区は0.3%)-軽減額等=税額

上記は、納税通知書に添付された課税明細書で確認することができます。

※課税標準額とは、固定資産の価格をいい、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて評価された額を課税主体が決定し、固定資産課税台帳に登録したものをいいます。この価格については、3年に一度、評価替えが行われ、改定されます。評価替えが行われると、原則として3年間は価格据置きとされ、土地の分合筆、新築、増改築等の行われた家屋は新たに評価され、価格が決定されます。

4.免税点

免税点とは、固定資産税が課されない課税標準額の上限額をいいます。固定資産税の課税主体は区市町村単位ですが、一の区域内において、同一人の所有する固定資産の課税標準額の合計が、次の額に満たない場合においては、固定資産税は課税されません。

(1)土地:30万円

(2)家屋:20万円

5.住宅用地

宅地の固定資産税額に大きな影響を及ぼすのがこの「住宅用地」に該当するか否かです。住宅用地に該当すれば、土地の固定資産税額は相当に低い水準となります。戸建住宅を購入し、そこにお住まいの方は普段あまり意識することはないかもしれませんが、投資用の宅地をお持ちの方は、建物の有無、規模、用途等によって固定資産税の額が大きく異なりますので、関心が高いことと思います。直感的には住宅の敷地であればすべて「住宅用地」ではないかと思われがちですが、規模等により非住宅用地として扱われる部分が生じることがありますので注意が必要です。

(1)「住宅用地」の定義

住宅用地とは、賦課期日の1月1日時点で、次のいずれか該当するものとされています。

(ア) 専用住宅(※1)の敷地の用に供されている土地で、その上に存在する家屋の床面積の10倍までの土地 (※2)

※1:専用住宅とは、専ら人の居住の用に供する家屋をいいます。

※2:家屋の床面積の10倍までの土地とされていますので、10倍を超える部分は住宅用地には該当しないこととなります。

(イ) 併用住宅(※3)の敷地の用に供されている土地のうち、その面積に下表の率を乗じて得た面積(※4)

併用住宅の種類 居住部分の割合(※4)
下に掲げる家屋以外の家屋 1/4以上1/2未満 0.5
1/2以上 1.0
地上階数5以上を有する耐火建築物である家屋 1/4以上1/2未満 0.5
1/2以上3/4未満 0.75
3/4以上 1.0

※3:一部を人の居住の用に供する家屋で、その家屋の床面積に対する居住部分の割合(※4)が1/4以上あるもの

※4:居住部分の割合=居住部分の床面積/家屋の総床面積

(2)課税標準の特例

住宅用地については、次表のとおり税負担が軽減されるよう、課税標準が計算されます。

区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分 価格×1/6 価格×1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 価格×1/3 価格×2/3

ただし、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の規定に係る「特定空家等」の敷地については、課税標準の特例措置の適用対象から除外される。

6.その他

(1)道路の非課税

所定の要件に該当する道路部分の土地は、地方税法の規定により、固定資産税・都市計画税が非課税となります。

(2)その他にも各自治体の条例により、軽減措置が定められています。

(3)軽減措置や非課税の要件に該当するか否かはケースバイケースですから、気になる場合は所在地の役所にご相談されることをおすすめするにとどめたいと思います。

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