亡くなられたお父さまが生前に建てたアパートを相続したお客さま（商社勤務）の事例です。

お客さまは、「賃貸事業はやったことがないので、売却を考えていたが、空室だらけの中古アパートでは価値は低いと買取業者に言われた。そこで、複数の賃貸専門の仲介業者に客付け依頼をしてみたが、なかなか空室が埋まらない…」というお悩みを抱えていました。

このお悩みを解決すべく、アパートの内覧や仲介業者へのヒアリング等を行ったところ、「専門サイトに掲載している物件情報」に原因があることが分かりました。

対象アパートは最寄り駅からのアクセスにはやや難がありましたが、敷地が広く駐車スペースを大きくとれることから複数の車を所有される方に魅力がある物件でした。しかし、どの仲介業者の物件情報にも駐車場の広さをアピールする記述がなかったため、問い合わせすらないという状態が続いていました。お客さまに同行し、仲介業者にこの点を修正依頼することで問い合わせが入るようになり、すぐに満室となりました。

こちらのお客さまには今後のために、下記のようにアドバイスさせて頂きました。

アドバイス１：定期的に仲介業者を訪問し、空室原因を確認する。仲介業者の対応が良くないと感じたら業者変更をするよう提案を行いました。

これまで父の代からのお付き合いということで、知人が経営する仲介業者に任せっきりだったということでした。内覧希望どころか問い合わせすらない状態で数年もの間放置していたのですから、この間の損失は大きく、もっと早く相談していれば良かったとお客様も後悔されていました。

アドバイス２：売却する場合は、満室状態で募集をかけるようご提案させていただきました。

アパートは賃貸用の共同住宅なので、購入する人は収益目的の投資家と考えるのが一般的です。立地や築年、市況等を分析し、家賃収入があまり見込めないような状況ではなかなか買い手は見つからないと判断し、少しでも高い金額で売却するためには、安定的な家賃収入が見込める状態で募集をかけるよう助言させていただきました。

なお、こちらのお客さまとは現在もお付き合いさせていただいております。お客さまは、売却は当面せずに、賃貸経営を続けるとの意向を示されています。定期的に訪問し、改善点を提案、実行サポートさせていただくことで退去者はいまだに出ていません。