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不動産専門家相談センター東京

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002-総論第1章第2節不動産とその価格の特徴①

第1章不動産の鑑定評価に関する基本的考察

第2節不動産とその価格特徴

不動産が国民の生活と活動に組み込まれどのように貢献しているかは具体的な価格として現れるものであるが、土地他の一般の諸財と異なって次のような特性を持っている。

(1)自然的特性として、地理的位置の固定性不動性(非移動性)永続性(不変性)不増性個別性(非同質性、非代替性)等を有し、固定的であって硬直的である。

(2)人文的特性として、用途の多様性(用途の競合、転換及び併存の可能性)、併合及び分割の可能性社会的及び経済的位置の可変性等を有し、可変的であって伸縮的である。

自然的特性:自然物としての土地は動かない、変わらないのが特性である。

地理的位置の固定性:社会的、経済的位置は絶えず変化する(人文的特性)が、地理的位置は、絶対的に固定しており、北緯何度何分、東経何度何分という地点は地球上に一ヵ所しかない。

不動性(非移動性):地理的位置が固定しているので、土地はこれを他の位置へ動かすことができない。

永続性(不変性):土地は原則として使っても減らない、放っておいても腐らない。

不増性:自然物としての土地の面積は、殆ど増加しない、また減少しない。ただし、用途別の土地面積は増減する。農地を宅地に転用すると、農地の面積は減少するが、宅地の面積は増加する。

個別性(非同質性、非代替性):個々に区画された土地は、地理的位置についてみると、同一位置のもの二つとない。したがって、同一規格品の大量生産が可能な他の一般の生産物(商品)のように、同質ですべての点で完全に同一個性(同一効用)の土地が、二つ以上あるものではないという意味では、個別の土地は、非同質性・非代替性を有する。

人文的特性:動かない、変わらない自然物としての土地であるが人間が土地に働きかけることによって、土地は動かされ変えられていくという人間と土地との関係から生ずる特性

用途の多様性(用途の競合、転換及び併存の可能性):土地は、これを住居、商業、工業、農業、林業など、いろいろな用途に使用することができる。したがって、いろいろな用途の競合が生ずるが、われわれは土地を最適の用途に、最有効使用の用途に供することが肝要なのである。また、農地が住宅地へと用途の転換が行われたり、マンションのように、一階を食堂、喫茶店などに、二階以上を住居にという具合に、用途の併存も可能である。

併合及び分割の可能性:土地は、これを利用の最適地積に併合したり、分割したりして使用することができる。

社会的及び経済的位置の可変性:住宅地が環境の変化に伴ってスラム化するような場合が、社会的位置の変化であり、普通商業地が収益性の増大に伴って高度商業地化するような場合には、経済的位置が変化したものということができる。

不動産は、この土地の持つ諸特性照応する特定の自然的条件及び人文的条件を与件として利用され、その社会的及び経済的な有用性を発揮するものである。

そして、これらの諸条件の変化に伴って、その利用形態並びにその社会的及び経済的な有用性は変化する。 

不動産は、また、その自然的条件及び人文的条件の全部又は一部を共通にすることによって、他の不動産とともにある地域を構成し、その地域の構成分子としてその地域との間に、依存、補完等の関係に及びその地域内の他の構成分子である不動産との間の協働、代替、競争等の関係にたち、これらの関係を通じてその社会的及び経済的な有用性を発揮するものである(不動産の地域性)。

依存:ある地域が繁栄すると、その構成分子である個々の不動産も栄えるような相互関係をいう。

補完:学校の集まっている地域に、文房具店、書店などが多くみられるような状態をいう。

協働:個々の不動産(店舗等)が力をあわせて働くことによって、特定の商店街が栄えるような相互関係をいう。

このような地域には、その規模、構成の内容、機能等に従って各種のものが認められるが、そのいずれもが、不動産の集合という意味において、個別の不動産の場合と同様に、特定の自然的条件及び人文的条件との関係を前提とする利用のあり方の同一性を基準として理解されるものであって、他の地域と区別されるべき特性をそれぞれ有するとともに、他の地域との間に相互関係にたち、この相互関係を通じて、その社会的及び経済的位置を占めるものである(地域の特性)。

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