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不動産鑑定評価基準/運用上の留意事項

※アンダーラインを付した箇所は運用上の留意事項より抜粋

赤字の箇所は補足説明

058-総論第7章第2節賃料を求める鑑定評価の手法/新規賃料②

第7章鑑定評価の方式

(第2節つづき)

2 賃貸事例比較法

(1)意義

賃貸事例比較法は、まず多数の新規の賃貸借等の事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る実際実質賃料(実際に支払われている不動産に係るすべての経済的対価(実質賃料の定義と異なり「適正な」とはなっていない。)をいう。)に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた賃料を比較考量し、これによって対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を比準賃料という。)。

賃貸事例比較法は、近隣地域又は同一需給圏内の類似地域等において対象不動産と類似の不動産の賃貸借等が行われている場合又は同一需給圏内の代替競争不動産の賃貸借等が行われている場合に有効である。 

・事例についての注意事項

①賃貸借等の契約は、その内容が、不動産の使用方法、賃貸借等の契約期間、権利金、敷金等の一時金の授受、賃料の算定の期間、支払方法等にわたって多種多様であること

②比較対象とすべき賃貸事例の賃料は、各支払時期に実際に支払われている賃料(実際支払賃料)のみでなく、契約に当たって授受された一時金の償却額及び運用益のほか、付加使用料、共益費等のうち実質的に賃料に相当する部分をも含めた実際実質賃料(実際に支払われている不動産に係るすべての経済的対価)でなければならない。また、新規に契約を締結し、使用収益を開始してのち初回に支払われる賃料を基礎として把握されるべきである。何故なら、遠い過去の契約による継続賃料は、時の経過とともにその不動産の用益の価値を正当に表さなくなっている場合が多く、借主に帰属する経済的利益(借り得)が発生していることが少なくないからである。

※賃貸借等が継続されている事例にかかる賃料のように特殊事情のもとに成り立っている賃料を採用することは妥当でない。

③時点修正を行う場合の変動率は、土地の価格、物価、建築費等を参酌し、賃料そのものの変動率を把握し適用する。cf.スライド法の変動率

④賃貸借等の殆ど行われていない地域、例えば農地地域、林地地域の不動産、又は賃貸借等の事例の極めて少ない不動産、例えば大邸宅等については適用が困難である。

(2)適用方法

①事例の収集及び選択

賃貸借等の事例の収集及び選択については、取引事例比較法における事例の収集及び選択に準ずるものとする。この場合において、賃貸借等の契約の内容について類似性を有するものを選択すべきことに留意しなければならない。

→事例選択5要件

事例の選択について

ア 賃貸借等の事例の選択に当たっては、新規賃料、継続賃料の別又は建物の用途の別(居住用か業務用か)により賃料水準が異なるのが一般的であることに留意して、できる限り対象不動産に類似した事例を選択すべきである。

イ 契約内容類似性を判断する際の留意事項を例示すれば、次のとおりである。

(ア)賃貸形式

部分貸し、一棟貸し、フロア貸し

(イ)賃貸面積

(ウ)契約期間並びに経過期間及び残存期間

(エ)一時金の授受に基づく賃料内容

→各支払時期に支払われる賃料(支払賃料)は、一時金との関連で定められるものであるから、一時金の性格が賃料の前払いであるのか、預り金であるのか。その償却あるいは返済方法等について、経済的利益の実態を把握することが必要である。

(オ)賃料の算定の期間及びその支払方法

(カ)修理及び現状変更に関する事項

→貸ビル、店舗等について、特に配慮が必要である。

(キ)賃貸借等に供される範囲及びその使用方法

→木造建物所有目的の賃貸事例を、ビル用地のような堅固建物所有目的とする賃料の事例資料として採用すべきではない。

②事情補正及び時点修正並びに地域要因の比較及び個別的要因の比較

事情補正及び時点修正並びに地域要因の比較及び個別的要因の比較については、取引事例比較法の場合に準ずるものとする。

地域要因の比較及び個別的要因の比較について

賃料を求める場合の地域要因の比較に当たっては、賃料固有の価格形成要因が存すること等により、価格を求める場合の地域と賃料を求める場合の地域とでは、それぞれの地域の範囲及び地域の格差を異にすることに留意することが必要である。

賃料を求める場合の個別的要因の比較に当たっては、契約内容、土地及び建物に関する個別的要因等に留意することが必要である。

3 収益分析法

(1)意義

収益分析法は、一般の企業経営に基づく総収益を分析して対象不動産が一定期間に生み出すであろうと期待される純収益(減価償却後のものとし、これを収益純賃料という。)を求め、これに必要諸経費等(減価償却費等計上)を加算して対象不動産の試算賃料を求める方法である。(この手法による試算賃料を収益賃料という。)

収益分析法は、企業の用に供されている不動産に帰属する純収益を適切に求め得る場合に有効である。

収益賃料=純収益(収益純賃料(減価償却後))+(賃料に含まれる)必要諸経費等(減価償却費含む。) 

(2)適用方法

①収益純賃料の算定

総収益(売上高)-総費用(売上原価+販売費及び一般管理費等)

収益純賃料の算定については、収益還元法における純収益の算定に準ずるものとする。この場合において、賃料の有する特性(賃料の性格が期間的な要素を含むこと)に留意しなければならない。

賃料の有する特性→積算法の期待利回り

・純収益の額が価格(賃料)決定の基礎となる点は、収益還元法と軌を一にするものであるが、収益還元法は、不動産が物理的、機能的及び経済的に消滅するまでの全期間(経済的残存耐用年数)にわたって、不動産を使用し、又は収益することができることを基礎として生ずるであろうと期待される純収益の現在価値の総和(収益価格)を求めようとする手法であるのに対し、収益分析法は、上記全期間のうち一部の期間(賃料の算定の期間=価格時点(期首)から実現時点までの期間)にわたって賃貸借契約、地上権、地役権設定契約に基づき、不動産を使用収益することができることを基礎として期待される純収益の額から対象不動産の賃料を求めようとする手法である。

直接還元法の留意事項→建物及びその敷地の場合、基本的に償却前の純収益を使用する。

②収益賃料を求める手法

収益賃料は、収益純賃料(償却後の純収益)の額に賃貸借等に当たって賃料に含まれる必要諸経費等を加算することによって求めるものとする。

なお、一般企業経営に基づく総収益を分析して収益純賃料及び必要諸経費等を含む賃料相当額を収益賃料として直接求めることができる場合もある。

・必要諸経費は、積算法における必要諸経費と同様で次のものがあげられる。減価償却費、維持管理費(維持費、管理費、修繕費等)、公租公課(固定資産税、都市計画税等)、損害保険料(火災、機械、ボイラー等の各種保険)、貸倒れ準備費、空室等による損失相当額

・一般企業経営に基づく総収益から賃料を求めることになる。不動産賃貸に基づく純収益から賃料を求めようとすると、賃料から賃料を求めるという悪循環に陥るからである。

・駅ビルやデパートのケース貸しの場合、売上高の一定割合を賃料として徴収する方法や単位面積あたりの賃料基本額にさらに歩合制を加味して定めた賃料を徴収する方法等があるが、このような方法による賃料は、収益賃料を求める場合に参考資料となるものである。

つづき→不動産鑑定評価基準総論第7章第2節賃料を求める鑑定評価の手法/継続賃料①はこちらへ

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