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不動産専門家相談センター東京
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ここでは、お客さまから地代、家賃等不動産の賃料に関するご相談をいただく際によく登場するキーワード「供託」についてお伝えします。
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1 供託の要件
(1)供託根拠法令が存在すること
まず、供託を行うためには、供託すべきことを義務付ける、又は供託を行うことができる旨を定める法令が存在する必要がありますので、むやみに供託ができるわけではありません。
この供託を可能にする法令を供託根拠法令といいます。具体的には、民法・商法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法、宅地建物取引業法・旅行業法等の各業法、公職選挙法等があります。
このような供託根拠法令中の該当条項は、供託申請書の記載事項となっていますので、供託の申請にあたっては当該条文の確認が必要となります。
(2)供託の目的となるもの(供託物)が供託可能であること
供託の目的物は、金銭、有価証券又はその他の物品(動産、不動産)となっています。
これら供託物の種類によって、供託所の管轄や供託の申請手続等が異なります。
ア.金銭
ここでいう金銭は、日本通貨であり、外国通貨は含まれませんが、外国通貨はその他の物品として供託が可能です。
ィ.有価証券
有価証券とは、財産権を表章する証券であり、国内において流通する性質のものをいいます。
具体的には、国債・外貨債・地方債・株券・社債券等があり、供託可能な有価証券の種類には、法令に別段の定めがない限り、一般的な制限はありません。
ウ.その他の物品
金銭・有価証券以外のものでも供託物となり得ますが、供託根拠法令の多くは金銭、有価証券をもって供託物とする取扱いとなっています。
その他の物品を供託することができるとされているのは、弁済供託と土地収用法における土地等の供託が挙げられます。
供託の種類 | 供託物 | ||
金銭 | 有価証券 | その他の物品 | |
弁済供託 | ○ | ○ | ○ |
裁判上の保証供託 | ○ | ○ | × |
営業保証供託 | ○ | ○ | × |
仮差押(仮処分)解放金 | ○ | × | × |
没取供託 | ○ | 選挙供託○ 商号仮登記× | × |
保管供託 | ○ | ○ | ○ |
(3)適法な供託所への供託であること
供託所の管轄は、事物管轄と土地管轄の定めがあります。
ア.事物管轄
事物管轄とは、供託物の種類により定まる管轄で次のとおりとなっています。
□金銭・有価証券
金銭・有価証券を供託物とする場合、法務局・地方法務局・その支局又は法務大臣指定の出張所が供託所となります。
□その他の物品
金銭・有価証券以外の物品を供託物とする場合、法務大臣指定の倉庫業者又は銀行が供託所となります。
法務大臣は供託物の形状・性質等を考慮して倉庫業者又は銀行を指定することになります。
ィ.土地管轄
供託所のうちどこの供託所に供託すべきかというのが土地管轄の問題ですが、供託法には一般的規定がありません。個別の法令に供託すべき管轄供託所を定めるものがあり、この場合は所定の供託所に供託をしなければその供託は無効となります。
一方、管轄についての定めがない場合の供託については、全国どこの供託所においても供託することができます。
以下、供託所の管轄を定める規定のうち主要なものを掲載します。
□弁済供託
弁済供託については、債務履行地の供託所が管轄となります。
・債務履行地とは、その債務が持参債務の場合、債権者の住所地となり、取立債務の場合、債務者の住所地となります。
・債務履行地の供託所とは、債務履行地の属する最少行政区画(東京特別区、市町村)内に所在する供託所となります。該当する供託所が存在しない場合は、その最少行政区画を包摂する行政区画(都道府県)内の最寄りの供託所に供託すればよいとされています。
・最寄りの供託所とは、債務履行地を基準に、距離的・時間的・経済的にみて債権者(被供託者)が供託物を受領するのに最も便利な供託所をいうものと解されています。
□保証供託・担保供託
・営業保証供託
根拠法令により、営業所最寄りの供託所とされていることが多い。
・裁判上の保証供託
民事訴訟法・民事執行法・民事保全法上の保証供託は、発令裁判所又は保全・執行裁判所所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託しなければならない。
※管轄違いの供託の効力について
管轄違いの供託申請があった場合、供託官はこれを却下しなければならないとされています。
誤って受理された場合であっても、その供託は無効となりますから、供託者はその供託物を錯誤を理由に取戻し、管轄となる供託所に改めて供託申請し直す必要があります。
もっとも、弁済供託にあっては、供託者により取戻前に被供託者が供託を受諾し、又は還付請求したときは、管轄違いの瑕疵が治癒され当初から有効な供託があったものとして取り扱われます。
※先例
地代・家賃の債権者が数名いて、支払場所が債権者の住所と定められている場合、可分債権については各人別にその住所地の供託所に、不可分債権についてはそのうちの1人の住所地の供託所に供託すべきとされている。
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