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不動産専門家相談センター東京
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ここでは、お客さまから地代、家賃等不動産の賃料に関するご相談をいただく際によく登場する「供託」についてお伝えします。
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4 供託原因が受領拒否の場合における弁済供託
(3)受領拒否
本旨弁済の提供をしたのに対し、債権者が受領を拒んだ場合は、債務者は弁済の目的物を供託所に供託することにより、その債務を免れることになります。本旨弁済の提供をしていない場合は受領拒否があったとは認められないことから、受領拒否を供託原因とする供託は無効となります。
債権者が予め受領を拒否しているケースでは、債務者は口頭の提供をすることにより債権者を受領遅滞に陥らせなければ供託はできないのかという疑問が生じます。この点、受領遅滞は供託の要件となることから、債務者は直ちに供託することはできないというのが古い判例の考えとなっています。これは、受領を催告することによって、債権者が受領拒否の姿勢を翻すこともありうるからと考えられており、供託の実務においても、判例の立場に立ち、受領しないことが明らかな場合においてのみ弁済の提供を要しないとしています。
それでは、受領拒否を供託原因とする供託が肯定された例をご紹介します。
①借家契約において、大家から家賃の値上げを要求されて、協議が調わないときには、借主は自己が相当と認める金額を提供し、その受領が拒否された場合は供託することができます。
②アパート、マンション等共同住宅の借家契約において、借主が、借家契約に基づき、賃料に電気料金(ガス料金、水道料金等の光熱水費)を含めた金額を提供して、その受領が拒否されたときには、電気料金を含む賃料として供託することが可能とされています。
③公営住宅の賃借人が賃料の値上げを不当なものとして、従前賃料の提供をし、その受領が拒否された場合において、受領拒否を原因として供託することが可能とされています。
④地主より土地の一部の明渡請求を受けた場合において、当該部分の地代について、受領を拒否された賃借人は、地代の全額について供託することができるとされています。
⑤賃料の支払い場所を借主の住所と定めたケースにおいて、催告したにもかかわらず、支払日を経過しても貸主が受け取りに来ない場合は、受領拒否を原因として弁済供託することが可能とされています。
⑥借主が賃料を提供しても、貸主が受取証書(領収書)を交付しない場合には、受領拒否を原因として供託することが可能とされています。
⑦10ケ月分の賃料滞納が生じているケースにおいて、1ケ月分の賃料とその遅延損害金を提供したが、その受領を拒否された場合は、提供した賃料と損害金のみを供託することが可能とされています。
⑧無利息の金銭消費貸借契約において、借主は、期限の利益を放棄して、供託することができるとされています。
⑨賃料の先払契約において、将来分の賃料につき受領拒否があった場合は、供託することができるとされています。
⑩建物賃貸借契約における賃借人は、賃貸人の抵当権者に対して、賃貸人に代わって弁済の提供をしたが、受領拒否された場合は、供託することが可能とされています。
⑪債権者が反対給付を履行しないため、弁済を受領させることができないケースにおいては、受領拒否を原因として供託することができるとされています。
次に、受領拒否を供託原因とする供託が否定された例をご紹介します。
①先払契約がない場合、将来の地代、家賃等の賃料について受領拒否があっても供託することはできないとされています。
②毎月支払うべき賃料について、過去の滞納分をまとめて供託することはできるが、将来の分までまとめて供託することはできないとされています。
③建物賃貸借契約における借主が賃料の減額請求権を行使して、減額請求後の額に相当する家賃を貸主に提供し、その受領を拒否されたとしても供託することはできないとされています。
④取立債務について、債権者の取立行為がない場合であっても、債務者は口頭の提供をしない限り、供託することはできないとされています。
⑤賃貸借契約における貸主死亡により数人の相続人がその地位を承継している場合において、借主が賃料を相続人の1人に提供し、受領を拒否されても、賃料の全額を供託することはできません。賃料債権は可分債権であることから、相続人毎に個別に提供・供託することを要します。
⑥一部弁済は、通常債務の本旨に沿った弁済の提供とはならず、その受領拒否を理由とする供託はできません。なお、誤って受理されたとしてもその供託は無効と考えられます。
⑦損害金、費用等がある場合、元本、利息に加え、それらを併せて提供しなければ、債務の本旨に従った弁済の提供とはなりません。
⑧取立債務について、民法第493条但書後段の催告をし、なお取立がないため弁済供託する場合、弁済期日から催告日までの遅延損害金を付して供託する必要があります。
(4)不受領意思明確
債権者の受領拒否の程度が極めて強く、債務者がたとえ口頭の提供をしても受領しないことが明らかな場合を不受領意思明確といいますが、このようなケースにおいては、債務者は口頭の提供をしなくても債務不履行の責任は負わないとするのが判例の示す見解とされています。
このようなケースにおいてまで、口頭の提供を要するとするのは意味がないからと考えられます。
受領拒絶の意思が明らかであれば、口頭の提供を要しないということは、債務者による口頭の提供が可能であることを前提に、経済状態が不良であるために弁済の準備ができない債務者まで免責する趣旨ではありません。
弁済の準備ができない経済状態にあるため口頭の提供もできない債務者は、債権者が弁済を受領しない意思が明確な場合にあっても、債務不履行責任を免れないとするのが判例の立場です。
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