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お客さまからご相談いただいた、ある土地区画整理事業の事件概要をご紹介します。掲載にあたっては、お客さまのご承諾をいただいております。
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〇〇〇年(〇受)第〇〇〇〇号 上告受理申立て事件
申立人 〇〇〇〇
相手方 〇〇〇
上告受理申立て理由書
〇〇〇年〇月〇日
最高裁判所 御中
〇〇〇都道府県○○区市町村〇〇〇丁目〇番〇号
申立人 〇〇〇〇
訴訟代理人弁護士〇〇〇〇
さらに、u値に係る控訴人らの主張は、基準の範囲外の数値だから不適切だとするものではない。〇〇〇がu値の意味するところを理解せず、相対的な受損益の実態を反映していない点を不適切、不公平だと指摘しているのである。
整理後の一律「1.05」を前提とするならば、本件路線は疎密度の変化がないに等しい(注)既存住宅群の前面路線であるから整理前も「1.05」に近い数値でなければならない。この点、原判決は基準の範囲内であることのみで控訴人らの主張を排斥しており、判例1及び判例2の趣旨が妥当し、違法である。この点、明らかに通常人の常識に属する経験則違反並びに施行条例19条、法89条1項及び98条2項に係る法令解釈に誤りがあり、また控訴裁判所である高等裁判所の判例(判例2)の趣旨と相反する判断があり、その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである(民事訴訟法第318条1項)。(注)第一種住居地域であるにもかかわらず〇〇〇の用途地域指定基準に反し未だに準防火地域の指定すらされていない事実が何よりの証拠である。
次に、Y値の一律加算について不合理であるとはいえないとする理由として、水道の引かれていなかった宅地については別途給水加入金の負担があるから不公平がない点を挙げているが、控訴人らは、既設管で既に宅地利用していた本件路線と既設管のなかった畦道(農道)路線を同等に扱い、一律加算しているところが不適切、不公平だとしているのである。
給水加入金の負担は水道料金の負担と同様に応益負担に属するものであるから、当該負担があることをもって控訴人らの主張を排斥する理由とはなり得ない。よって、判例1及び判例2の趣旨が妥当し、違法であり、明らかに通常人の常識に属する経験則違反がある。また、施行条例19条、法89条1項及び98条2項に係る法令解釈の誤りのみならず控訴裁判所である高等裁判所の判例(判例2)の趣旨と相反する判断があり、その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである(民事訴訟法第318条1項)。
次にF(p)値の一律評価については、有意な相違がないことから不適切ではないとしているが、判例1及び判例2の趣旨が妥当し、違法である。F(p)値の意味する防火保安性は、主として緊急車両の乗入容易性、延焼遮断性等によって判定されるべきものである。
道路幅員の延焼遮断防止効果について、土地区画整理事業では、幅員6Mを確保することとされており、4M以下での延焼遮断防止効果は極めて乏しく、85%は延焼してしまう(資料10)。〇〇〇が採用した「d;公共空地配置密度」では4m以上でその係数が15とされていることから明らかに不適切なF(p)値が算出されることとなる。
仮に、同計算式が適正とされた場合でも、例えば、整理前において〇〇〇の密集住宅地域(以下「〇〇〇団地」という。(資料10))は幅員2.7~3.0mの狭隘道路(整理前路線46~48)に囲まれた極めて防火保安性の極めて劣る地域であった。〇〇〇団地の各宅地は原位置換地の原則により幅員16Mの都市計画道路(〇〇〇線)及びこれに接続する新設6M街路に囲まれた地域内に(仮)換地されたことで極めて防火保安性が向上した。これに対し、〇〇〇団地(資料10)はもともと〇〇〇道付近ではあるものの幅員4m〇〇〇道(整理前路線70~74)に囲まれ、決して防火保安性の高い地域とは言えない状況にあった(〇〇〇道沿いの宅地を除く。)。それは整理後においても街路幅員は4mのままで変わらないことから何ら変わるところがないというのが実態である。しかも上述のとおり4mでは延焼遮断効果は殆どないに等しいのである。このように、両者の受益格差には著しいものがあるにもかかわらず、同率扱いとするのは明らかに不適正である。ましてや本件従前地の前面路線に至ってはもともと唯一のバス路線で幅員8mの〇〇〇道であるから何ら防火保安性の向上はない。繰り返すが、〇〇〇団地の旧狭隘路線と本件路線に係る防火保安性につき有意な相違なしとする判断には明らかに通常人の常識とかけ離れた経験則違背があり、施行条例19条、法89条1項及び98条2項に係る法令解釈の誤りのみならず控訴裁判所である高等裁判所の判例(判例2)の趣旨と相反する判断があり、その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである(民事訴訟法第318条1項)。
次に、一部の路線価に係る不正操作(狭隘路線等の不正な加算措置で恣意的な事実上の減歩緩和と考えられる。)に係る主張については何ら判断を示しておらず、ここでも判例1及び判例2の趣旨が妥当し、違法である。また、施行条例19条、法89条1項及び98条2項に係る法令解釈の誤りのみならず控訴裁判所である高等裁判所の判例(判例2)の趣旨と相反する判断があり、その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである(民事訴訟法第318条1項)。
また、相続税路線価との比較による検証については、控訴人らは詳細な分析結果を詳述しており、単純比較などしていない。にもかかわらず、その分析内容に何ら触れることなく排斥しており、審理不尽の違法であり、その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである(民事訴訟法第318条1項)。
最後には「本件仮換地の路線価指数の算出に関して、控訴人らの主張に一部沿う事実が認められる」と事実認定しながらも、路線価と関係ない次の2点を掲げ、控訴人の主張を排斥している。
○ 本件仮換地の減歩率(地積更正前の地積で算出したもの)が平均減歩率との対比において小さいこと。
○ 本件処分が〇〇〇の要望をいれてなされたこと。
路線価評価の違法性を論しる中で、当該地に係る個別事情を掲げて基準違反の指摘を排斥している点で論理性を欠き、失当である。ここで、浮彫りとなるのは、担当裁判官らは、路線価の意義ひいては土地評価というものをまったく理解していないということである。いうまでもなく路線価は当該路線の標準的な画地の単価を指すものであり、個別の地権者や各画地に係る事情等は無関係である。
なお、減歩の程度はあくまで当該地における受益の程度に相応すべきものである。平均値と比べて当否を検証すべきものではないし、その前に基準が遵守されたか否かが検証されなければならない。
また、本件処分は、〇〇〇のせめてもの願い(資料8)すら破棄されたうえでなされたものであり、事実の誤認である。もっとも、これはそもそも土地評価において考慮すべき事項ではない。土地の評価は客観的でなければならない。そのために土地評価基準が制定されたのである。〇〇〇同基準に違反している事実を複数認めておきながら、違法判断を回避している点で経験則違背があり、施行条例19条、法89条1項及び98条2項に係る法令解釈の誤りがあり、その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである(民事訴訟法第318条1項)。
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