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不動産専門家相談センター東京

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お役立ち情報

不動産鑑定評価基準/運用上の留意事項

※アンダーラインを付した箇所は運用上の留意事項より抜粋

赤字の箇所は補足説明

037-総論第7章前文~第1節価格を求める鑑定評価の手法/原価法①

第7章鑑定評価の方式

不動産の鑑定評価の方式には、原価方式比較方式及び収益方式の三方式がある。

原価方式は不動産の再調達(建築、造成等による新規調達をいう。)に要する原価に着目(費用性)して、比較方式は不動産の取引事例又は賃貸借等の事例に着目(市場性)して、収益方式は不動産から生み出される収益に着目(収益性)して、それぞれ不動産の価格又は賃料を求めようとするものである。不動産の鑑定評価の方式は、価格を求める手法と賃料を求める手法に分類される。それぞれの鑑定評価の手法の適用により求められた価格又は賃料を試算価格又は試算賃料という。

・各方式と各手法は必ずしも1対1の関係ではないことに注意!

・不動産の鑑定評価で求める価格は基本的には正常価格であって、それには市場性とともに費用性、収益性についての斟酌がその市場を通じて十分になされていなければならない。例えば、売手は投下したコストに見合う価格でなければ売却しないであろうし(費用性)、標準的な収益が確保できなければ買手がつきにくい(収益が上がらないような割高な価格では誰も買わない)であろう(収益性)。いずれにしても費用性、収益性が充足されなければ正常な市場価値(市場性)も成立しないのである。(第8章鑑定評価の手順第7節鑑定評価方式の適用)

 

原価方式

比較方式

収益方式

価   格

原価法

(積算価格)

取引事例比較法

(比準価格)

収益還元法

(収益価格)

開 発 法(開発法による価格)※三手法の考え方を活用

賃   料

積算法

(積算賃料)

賃貸事例比較法

(比準賃料)

収益分析法

(収益賃料)

・鑑定評価で求めるべき正常価格は、合理的市場で形成されるものである。合理的市場とは費用性、市場性、収益性という価格の三面性が十分に反映される市場をいうものである。※三者平均すべきという意味ではない!

第1節価格を求める鑑定評価の手法

不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還元法に大別され、このほかこれら三手法の考え方を活用した開発法の手法がある。

試算価格を求める場合の一般的留意事項

1 一般的要因と鑑定評価の各手法の適用との関連

→常に考慮、妥当性の検討に活用する

価格形成要因のうち一般的要因は、不動産の価格形成全般に影響を与えるものであり、鑑定評価手法の適用における各手順において常に考慮されるべきものであり、価格判定の妥当性を検討するために活用しなければならない。

2 事例の収集及び選択→事例資料

鑑定評価の各手法の適用に当たって必要とされる事例には、原価法の適用に当たって必要な建設事例、取引事例比較法の適用に当たって必要な取引事例及び収益還元法の適用に当たって必要な収益事例(以下「取引事例等」という。)がある。取引事例等は、鑑定評価の各手法に即応し、適切にして合理的な計画に基づき、豊富に秩序正しく収集し、選択すべきであり、投機的取引であると認められる事例等適正さを欠くものであってはならない。

賃料→賃貸借等の事例

投機的取引から投機性排除後の価格を算出することは困難!→一切排除!  

【 建設事例・取引事例・収益事例の選択要件 】

事例選択の4要件+投機的取引排除賃料は(+契約内容類似性で)5要件

取引事例等は、次の要件の全部を備えるもののうちから選択するものとする。

(1)次の不動産に係るものであること

場所的同一性→近隣地域又は同一需給圏内の類似地域等・同一需給圏内の代替競争不動産

①近隣地域又は同一需給圏内の類似地域若しくは必要やむを得ない場合には近隣地域の周辺の地域(以下「同一需給圏内の類似地域等」という。)に存する不動産※一般的留意事項では“類似の”不動産とはなっていない。

対象不動産の最有効使用が標準的使用と異なる場合等おいて同一需給圏内に存し対象不動産と代替、競争等の関係が成立していると認められる不動産(以下「同一需給圏内の代替競争不動産」という。)

→①用途・規模・品等等類似性明確性②価格形成直接影響明確性が認められることを要する!

(2)取引事例等に係る取引等の事情が正常なものと認められるものであること又は正常なものに補正することができるものであること。

→事情正常性・正常補正可能性

※特殊事情の補正は許容されるが、投機的取引の事情補正は許されない!(そもそも収集選択対象外!)

(3)時点修正をすることが可能なものであること

→時点修正可能性、時間的同一性

(4)地域要因の比較及び個別的要因の比較が可能なものであること。

→要因比較可能性→同種・同類型(ただし、配分法)+物的同一性

取引事例等の選択について

ア 必要やむを得ない場合近隣地域の周辺地域に存する不動産に係るものを選択する場合について

この場合における必要やむを得ない場合とは、近隣地域又は同一需給圏内の類似地域 に存する不動産について収集した取引事例等の大部分が特殊な事情による影響を著しく受けていることその他の特別な事情により当該取引事例等のみによっては鑑定評価を適切に行うことができないと認められる場合をいう。

イ 対象不動産の最有効使用が標準的使用と異なる場合等において同一需給圏内の代替競争不動産に係るものを選択する場合について

この場合における対象不動産の最有効使用が標準的使用と異なる場合等とは、次のような場合として例示される対象不動産の個別性(環境・規模・位置)のために近隣地域の制約の程度が著しく小さいと認められるものをいう。

同一需給圏→同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいう。・・・近隣地域の外かつ同一需給圏内の類似地域の外に存する不動産であっても、同一需給圏内に存し対象不動産とその用途、規模、品等等の類似性に基づいて、これら相互の間に代替、競争等の関係が成立する場合がある。

対象不動産の最有効使用が標準的使用と異なる場合等の例示

※対象不動産の個別性(環境・規模・位置)のために近隣地域の制約の程度が著しく小さいと認められるものの例示

(ア)戸建住宅地域において、近辺で大規模なマンションの開発がみられるとともに、立地に優れ高度利用が可能なことから、マンション適地と認められる大規模な画地が存する場合

標準的使用→戸建住宅地

対象不動産(大規模画地)の最有効使用→マンション敷地

(イ)中高層事務所として用途が純化された地域において、交通利便性に優れ広域的な集客力を有するホテルが存する場合

(ウ)住宅地域において、幹線道路に近接して、広域的な商圏を持つ郊外型の大規模小売店舗が存する場合

(エ)中小規模の事務所ビルが集積する地域において、敷地集約化により完成した卓越した競争力を有する大規模事務所ビルが存する場合

ウ 代替、競争等の関係を判定する際の留意点について

イの場合において選択する同一需給圏内の代替競争不動産に係る取引事例等は、次に掲げる要件に該当するものでなければならない。

(ア)対象不動産との間に用途、規模、品等等からみた類似性が明確に認められること。(用規品)類似性明確性

(イ)対象不動産の価格形成に関して直接に影響を与えていることが明確に認められること。価格形成直接影響明確性 

3 事情補正

取引事例等に係る取引等が特殊な事情を含み、これが当該取引事例等に係る価格(取引価格)等に影響を及ぼしているときは適切に補正しなければならない。

(1)現実に成立した取引事例等には、不動産市場特性、取引等における当事者双方能力多様性特別の動機により売り急ぎ、買い進み等の特殊事情が存在する場合もあるので、取引事例等がどのような条件の下で成立したものであるかを資料の分析に当たり十分に調査しなければならない。

→成立条件資料分析調査

(2)特殊事情とは、正常価格を求める場合には、正常価格の前提となる現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる諸条件を欠くに至らしめる事情のことである。 

4 時点修正

取引事例等に係る取引等の時点が価格時点と異なることにより、その間に価格水準に変動があると認められる場合には、当該取引事例等の価格等を価格時点の価格等に修正しなければならない。

→時点が異なっても水準に変動なければ修正不要!

5 地域要因の比較及び個別的要因の比

取引事例等の価格等は、その不動産の存する用途的地域に係る地域要因及び当該不動産の個別的要因を反映しているものであるから、取引事例等に係る不動産が同一需給圏内の類似地域等に存するもの又は同一需給圏内の代替競争不動産である場合においては、近隣地域と当該事例に係る不動産の存する地域との地域要因の比較及び対象不動産と当該事例に係る不動産との個別的要因の比較を、取引事例等に係る不動産が近隣地域に存するものである場合においては、対象不動産と当該事例に係る不動産の個別的要因の比較をそれぞれ行う必要がある。

→地域要因比較は不要(互いに近隣地域内→地域特性・地域要因共通 →格差なし)※近隣地域→対象不動産の属する用途的地域

地域要因の比較及び個別的要因の比較について

取引事例等として同一需給圏内の代替競争不動産に係るものを選択する場合において、価格形成要因に係る対象不動産との比較を行う際には、個別的要因の比較だけでなく市場の特性に影響を与えている地域要因の比較もあわせて行うべきことに留意すべきである。

→不動産は地域から完全に独立したものとはなり得ず、少なからず地域要因の影響も受けているため

原価法

1意義定義+有効性)

原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法である(この手法による試算価格を積算価格という。)。

積算価格=再調達原価-減価修正 

原価法は、対象不動産が建物又は建物及びその敷地である場合において、再調達原価の把握及び減価修正を適切に行うことができるときに有効であり、対象不動産が土地のみである場合においても、再調達原価を適切に求めることができるとき(造成地、埋立地等)はこの手法を適用することができる。

・既成市街地等にあって、再調達原価が把握できない土地等には、原価法適用を見合わさざるを得ない。

・原価法は、対象不動産が建物又は建物及びその敷地である場合において、再調達原価の把握及び減価修正を適切に行うことができるときに有効であり、対象不動産が土地のみである場合においても、当該不動産が最近において造成された造成地、埋立地等で再調達原価を適切に求めることができるときはこの手法を適用することができる。

①不動産鑑定評価、②相続対策、③借地と底地のトラブル解決、④価格・賃料相場等で頼れる専門家をお探しのお客さまは、当センターの無料相談をご利用ください。出張相談も可能です。必要に応じて、弁護士、税理士等の先生方と連携してサポートさせていただきます。

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お役立ち情報

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  • 不動産鑑定評価基準/運用上の留意事項
  • 不動産競売情報
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