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不動産専門家相談センター東京

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不動産鑑定評価基準/運用上の留意事項

※アンダーラインを付した箇所は運用上の留意事項より抜粋

赤字の箇所は補足説明

039-総論第7章第1節価格を求める鑑定評価の手法/原価法③

第7章鑑定評価の方式

(第1節のつづき)

(2)再調達原価を求める方法

再調達原価(置換原価)=標準的な建設費+通常の付帯費用※自己建設の場合も、建設請負を想定する。

再調達原価は、建設請負により、請負者が発注者に対して直ちに使用可能な状態で引き渡す通常の場合を想定し、発注者が請負者に対して支払う標準的な建設費に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用(設計監理料etcを加算して求めるものとする。

なお、置換原価は、対象不動産と同等の有用性を持つ不動産を新たに調達することを想定した場合に必要とされる原価の総額であり、発注者が請負者に対して支払う標準的な建設費に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算して求める。

これらの場合における通常の付帯費用には、建物引渡しまでに発注者が負担する 通常の資金調達費用 や  標準的な開発リスク相当額等 が含まれる場合があることに留意する必要がある。

→この場合の建設費には、一般に、対象不動産の建設又は造成に要した直接工事費、間接工事費及び一般管理費等が含まれる。一般管理費等は、工事施工に当たる企業の継続経営に必要な費用をいい、一般管理費と請負者の適正な利益とに分類される。

→置換原価については、対象不動産と同等の有用性を有するとしても、建築技術等の進展や変化により再調達原価が高位又は低位に見積もられることがあるので、不動産の用途や利用状況に応じて、減価修正で考慮する等を含め適切に求めることが必要である。 

① 再調達原価を求める方法について

ア 建物の増改築・修繕・模様替等は、その内容を踏まえ、再調達原価の査定に適切に反映させなければならない。

増改築・修繕・模様替等(以下「増改築等」という。)を施した建物、若しくは増改築等を前提とした未竣工建物等の再調達原価の把握においては、市場参加者の観点から建物価値への影響を適切に反映させた、より精緻な査定を行う必要がある。増改築等の工事内容を分析し再調達原価に影響を及ぼす部分についてその金額を適切に査定し、原価法の適用において反映しなければならない。

・増改築等が施されている建物若しくは、増改築等を前提とした未竣工建物等の再調達原価の求め方について

増改築等が施された場合又は対象確定条件により未竣工建物等鑑定評価として確定された場合における建物の再調達原価は、増改築等が実施された後の構造、仕様の建物を新たに再調達する場合を前提に把握される。

増改築等実施後の建物の再調達原価は、直接的に求める方法の外に、新築当初の建築費等増改築等実施前の再調達原価から、増改築等を前提とした再調達原価を求めていく方法 もある。その場合、単に原状回復・現状維持(修繕・更新)に留まる工事であれば再調達原価は増改築等実施前の再調達原価と同水準と考えられるが、それ以外の工事については再調達原価に増減価が生じている可能性が高いので、当該増減価部分について適正に判断の上、再調達原価に反映させなければならない。具体的な反映方法としては、増改築前の建物の再調達原価から増改築等の際に除去された部分に対応する原価額を控除し、実際に発生した増改築等費用のうち新規に置き換えた部分に相当する原価額を加算する方法等が考えられる。その場合、建物の増改築等工事には除去そのものにかかる費用(人件費、処分費)が含まれ、かつ、工事の作業工程が複雑になるため、新築工事の一部として行う場合に比して割高になっていることに留意し、安易に発生した費用総額を再調達原価に計上するようなことがあってはならない。

「増改築等」工事について

「増改築等」に該当する工事を列挙すると、下記のような工事があげられる。

種   類

建築行政における定義

工事の具体的なイメージ

増   築

既存建築物に建て増しをする、又は既存建築物のある敷地に新たに建築すること

建増工事

改   築

建築物の全部又は一部を除却した場合、又は災害等により失った場合に、これらの建築物又は建築物の部分を、従前と同様の用途・構造・規模のものに建て替えること

大規模なリフォーム工事

(大規模な)

修   繕

経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ材料、形状、寸法のものを用いて原状回復を図ること

大規模な修繕 = 主要構造部の一種以上を、過半にわたり修繕すること

耐震工事(壁・柱・梁等の

補強)

(大規模な)

模様替え

建築物の構造・規模・機能の同一性を損なわない範囲で改造すること。一般的に現状回復を目的とせず性能の向上を図ることをいう

概ね同様の形状、寸法によるが、材料、構造・種別等は異なるような部分工事 

大規模な模様替え = 主要構造部の一種以上を、過半にわたり模様替えすること

バリアフリー化工事(移動

等円滑化のための工事)

ex.廊下、階段の幅拡大、レ

イアウト変更による壁や柱の移動

築造・設置

築造=工作物の新設、増設

設置=(昇降機等の)建築設備の新設、増設

高架水槽・車庫の新設、増設

昇降機等の新設、増設

イ 資金調達費用とは、建築費及び発注者が負担すべき費用に相当する資金について、建物引渡しまでの期間に対応する調達費用をいう。

ウ  開発リスク相当額とは、開発を伴う不動産について、当該開発に係る工事が終了し、不動産の効用が十分に発揮されるに至るまでの不確実性 に関し、事業者(発注者)が通常負担する危険負担率を金額で表示したものである。

①不動産鑑定評価、②相続対策、③借地と底地のトラブル解決、④価格・賃料相場等で頼れる専門家をお探しのお客さまは、当センターの無料相談をご利用ください。出張相談も可能です。必要に応じて、弁護士、税理士等の先生方と連携してサポートさせていただきます。

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