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083-各論第1章価格に関する鑑定評価第1節土地③ 建付地(ⅱ)

各論

第1章 価格に関する鑑定評価

(第1節のつづき)

建付地について

複合不動産価格をもとに敷地に帰属する額を配分する方法 には主として次の二つの方法があり、対象不動産の特性に応じて適切に適用しなければならない。

①  割合法

割合法とは、複合不動産価格に占める敷地の構成割合を求めることができる場合において、複合不動産価格に当該構成割合を乗じて求める方法である。

控除法 

控除法とは、複合不動産価格を前提とした建物等の価格を直接的に求めることができる場合において、複合不動産価格から建物等の価格を控除して求める方法である。

□改正前の基準における建付地の要件から「建物等と敷地が同一所有者により使用されている」という条件を外された。

このことにより、建付地を、自用の建物及びその敷地の敷地部分から、貸家及びその敷地の敷地部分を含むより広い定義に変更された。

□敷地の一部に地役権や建物所有を目的としない賃借権等が付着している場合には、その状態を所与として建付地の鑑定評価を行うべきことが明確になった。

□建物等及びその敷地(複合不動産)において、土地又は建物等のそれぞれの部分の価格(内訳価格)を求める部分鑑定評価の手法について、貸家及びその敷地等にも適用可能な手法となるよう見直され、複合不動産の価格を求めたうえで積算価格等の構成割合等で配分する方法が追記された。

□改正前の基準では、建付地の価格は原則として更地価格を上限とする旨が記載されていたが、当該規定を削除し、建物が賃貸され安定的に稼働している状況等においては、建付地の価格が更地の価格を上回る場合があることが明確となった。

□建付地の鑑定評価額は、改正前の基準では、比準価格及び収益価格を関連づけて決定するものとなっていたが、今回の改正で、更地価格をもとに敷地と建物等との関連性を考慮して求めた価格を標準とし、比準価格及び収益価格は比較考量して決定することとされた。さらに、複合不動産の価格を配分して求めた価格を標準とすることもできるものとされた。

□複合不動産の土地建物の会計上の区分は、土地が非償却資産、建物が償却資産であるため、複合不動産の価格を土地と建物にどのように配分するかにより減価償却費が変動し、その結果は財務諸表へ大きな影響を与える。特に証券化対象不動産では投資家への配当額にも影響を及ぼすため、財務会計上、土地と建物は公正妥当に区分することが厳に求められている。また、消費税等の関係から、不動産業者の売買する複合不動産については合理的な建物価格を示す必要も生じている。このように、複合不動産の内訳(土地と建物)価格の重要性の高まりとともに、複合不動産の部分鑑定評価に対するニーズも増加している。

実務においては、建物及びその敷地としての鑑定評価を行った際に依頼者から別途内訳価格の提示を求められることがあるが、その際には、「不動産鑑定評価基準に則らない価格等調査」(参考価格)としての内訳価格であることについて十分理解を得た上で、基準に示した方法以外の方法(一体としての価格を積算価格比により土地と建物に配分する方法)により説明している例が見受けられる。また、部分鑑定評価としての建物の価格についても、現実には積算価格を重視して求めていることが多い等、改正前の基準と実務の実態とにずれが生じており、ここで整合を図る必要が生じてきていた。

今回の基準の改正は、現実的かつ具体的な評価指針を示すことによって、恣意性を排除した公正妥当な部分鑑定評価を、貸家及びその敷地における部分鑑定評価を含め、広く行うことができるようにしたものである。

□建付地は、①現に建物、構築物等の用に供されている宅地であること、②建物等及びその敷地が同一の所有者であることを要件とする。建付地は、基本的には「自用若しくは貸家の建物及びその敷地」の敷地部分であり、類型における「建物」の概念には、建物以外の構築物等も含まれる。

建付地は自己所有建物等に係る敷地の利用権原が付着している土地であるが、そのほかにも、当該敷地に建物所有目的以外の地役権や賃借権、地上権等の使用収益を制約する権利が付着している場合がある。その場合には、その状態を所与として鑑定評価を行わなければならない。なお、建物等に係る敷地利用権原とは、建付地の所有権を指しているのであって、借地権や建物所有目的の使用借権を想定するものではない。

建付地は建物及びその敷地におけるその敷地部分の鑑定評価であるため、鑑定評価報告書には、対象不動産である建付地に関するもののほか、少なくとも当該敷地上に存する建物等の構造、規模、用途、数量、配置の状態等及び建物賃借権等の権利が存する場合はその内容を記載すべきである。

□建付地の価格は、更地の価格をもとに求める方法を標準とし、比準価格及び収益価格を比較考量して求めることを原則とする。

ただし、複合不動産価格をもとに配分して求める方法を標準とすることもできる。

□建物の劣化等により建物が更地の最有効使用に適応していない場合や、貸家及びその敷地において現行賃料が正常賃料を下回る場合等においては、建付減価が生じていると判断される場合があり、この場合においては、更地価格は建付地の価格を上回るという関係になる。

□建付地が更地としての最有効使用と一致する利用がなされている場合では、建付地価格が更地価格を上回る場合がある。

□税務・財務分野に利用される目的の土地若しくは建物の部分鑑定評価は、その結果が広く関係者の利害に影響を及ぼすことがあり社会的影響も大きいため、特に公正性の観点から、基準に則って適正に鑑定評価を行うことが求められる。

建付地の鑑定評価額は、原則として、更地価格に建付地補正(増減価修正)を行って求めた価格(なお、建物及びその敷地に原価法を適用する際に考慮すべき土地の付帯費用の現在価値は、ここでは建付増減価において考慮するものとする。)を標準とし、敷地と建物等との適応の状態が同程度にある複合不動産の取引事例に配分法を適用して求めた建付地価格を事例資料として、これに取引事例比較法を適用して求めた比準価格、及び対象不動産上に存する建物等を賃貸に供した場合に得られる純収益(建物等が賃貸中の場合は当該賃貸収入に基づく純収益)に基づき土地残余法を適用して求めた建付地の収益価格を比較考量して決定するものとする。この場合の更地価格は、基準に則って求めなければならない。また、土地残余法は建物が新築後間もない場合に有効であり、現実の賃貸収入に基づいて土地残余法を適用する場合等では、その収益価格の説得力について特に留意が必要である。

さらに、建付地の鑑定評価額は、建物及びその敷地としての価格(以下「複合不動産価格」という。)をもとに敷地に帰属する額を配分して求めた価格(以下この方法を「配分する方法」という。)を標準として決定することもできる。この方法は、対象不動産が土地と建物等の結合により構成されている場合に、一体としての価格をもとにその状態を所与としてその構成部分を評価するという部分鑑定評価の本質に沿った方法であり、配分する方法は、鑑定評価において複合不動産の価格を査定している場合に適用することができる。なお、複合不動産の価格は、基準の考え方に則って求めたものでなければならない。

□建付地と更地との関係

不動産の価格は、最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成される。

建付地は敷地上に建物等が存在しているので、その使用方法は当該建物等によって制約を受け、建物等が敷地の更地としての最有効使用に適応していない場合においては、当該建付地の価格は、そこに敷地の更地としての最有効使用に適応する建物等が存在する場合に比べて低くなる。一方、更地は現に建物等が存在しない土地であるから、常に最有効使用に適応する使用方法を実現できる可能性を有している。したがって、一般に、建付地の価格は、建物が敷地の更地としての最有効使用に適応し、敷地が更地としての最有効使用の状態(建物等の用途、規模、配置等に限らず、新築後間もない状態と同様の収益や快適性等の効用が実現できている状態。)で利用されている場合には、更地の価格に一致すると考えられる。

しかし、市場の状況によっては、建付地の価格が更地価格を上回る、いわゆる建付増価が生じている場合も認められることに留意が必要である。特に、敷地が最有効使用の状態で利用されている賃貸用不動産等では、更地の場合に必要となる建物の建築に要する未収入期間や費用等を考慮する必要がなく、すでに賃貸に供されている場合は市場参加者にとっても収益の予測が行いやすい(リスクが少ない)こと等から、建付地の価格が更地価格を上回る場合も多く見受けられる。また、建築基準法第3条第2項に該当する建築物(いわゆる既存不適格建築物)等が存在する場合で、現況の利用が更地としての最有効使用を上回っている場合には、当該建付地の価格が更地価格を上回ることもあり得る。

なお、取引事例比較法において複合不動産の取引事例に配分法を適用する場合においても、建付地価格と更地価格との関係については、上記例示を踏まえ十分注意する必要がある。

□内訳価格

複合不動産と、建付地及び建物等の価格の関係は、下記のとおりである。

複合不動産の価格=建付地の価格+建物等の価格

複合不動産の内訳価格としての建付地及び建物等の価格は、一体としての価格を配分する方法以外に、一体化している状態であることを適切に価格に反映できる場合はそれぞれ直接的に求めることもできる。ただし、理論的に、その合計額は複合不動産の価格と一致するものであるため、一方の価格を直接に求める方法により求めた場合においては、もう一方の価格及び複合不動産の価格との関係に留意する必要がある。通常、内訳価格は後記の割合法、控除法等の方法により求める。

□建物等を取壊すことが最有効使用である場合

最有効使用の観点から建物等と一体として継続使用することが合理的ではなく、建物等を取壊すことが妥当と認められる場合は、「更地価格-取壊し費用」という手順によるが、この場合の類型は、建物及びその敷地であり、部分鑑定評価の類型である建付地の鑑定評価ではないことに留意しなければならない。

□複合不動産価格から建付地価格を求める場合に配分する方法には、割合法、控除法等があるが、それぞれに長短があるため、対象不動産の市場特性等を勘案して適切に適用する必要がある。

□貸家及びその敷地の評価においては、求めた積算価格と鑑定評価額との間に乖離がある場合があるので、建物が賃貸に供されている場合の建付地価格を控除法により求める際の建物等の価格の査定は、特に慎重に行う必要がある。乖離部分のうち建物等の価格に帰属する部分を適切に把握し、建物等の価格に反映しなければならない。

複合不動産価格をもとに敷地に帰属する額を配分する方法には、主として割合法と控除法の二つの方法が考えられる。

・割合法

割合法とは、複合不動産価格に敷地の価格構成割合を乗じて求める方法である。この方法は、複合不動産に占める建物等と敷地の価格構成割合を求めることができる場合に採用できる。

構成割合の求め方については、複合不動産に原価法を適用して求めた土地と建物等の積算価格割合によることが中心になると考えられる。この積算価格の割合により配分する方法は、原価法が適切に適用されている場合には信頼性も高いと考えられ、配分も容易である。一方、複合不動産の価格が積算価格を大きく上回っている場合等で、建物等の価格に一体としての増価が認められる場合では、内訳価格としての建物等の価格が再調達原価を上回ることも想定される。したがって、複合不動産の積算価格と鑑定評価額との間に乖離が生じている場合には、配分に当たってその乖離が発生した要因を分析し、建付地及び建物のそれぞれの寄与度を適切に判定しなければならない。また、どちらか一方の寄与度が高いと判断された場合は、これを土地及び建物等に適切に再配分しなければならない。例えば、限定価格における限度額比の考え方に基づいて配分することが有効な場合もある。

・控除法

控除法とは、複合不動産価格から建物等の価格を控除して求める方法である。複合不動産価格を前提とした建物等の価格を直接的かつ適切に求めることができる場合に採用できる。

建物等の価格を直接的に求めるとは、「積算価格を標準とし、配分法に基づく比準価格及び建物残余法による収益価格を比較考量」して求めることをいう。積算価格を中心に求める場合であっても、建物の部分鑑定評価において複合不動産としての市場性等の考慮は必要であり、建物等の価格は単純に建物の原価性からのみ求めるようなことはあってはならない。例えば、複合不動産に一体増減価が認められる場合や、建物等が賃貸に供されている場合等で、収益価格と積算価格に大きな開差があり、収益価格を中心に複合不動産の価格を決定している場合等においては、複合不動産の価格における一体増減価相当額や収益価格と積算価格との開差のうち建物等に帰属すべき部分を適切に反映させた上で建物価格を求めなければならない。建物等に適切に反映できない場合には、建付地の評価において控除法は適用すべきではない。

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