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不動産専門家相談センター東京

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不動産鑑定評価基準/運用上の留意事項

105-各論第3章証券化対象不動産の価格に関する鑑定評価第1節証券化対象不動産の鑑定評価の基本的姿勢~第2節証券化対象不動産について未竣工建物等鑑定評価を行う場合の要件

第3章 証券化対象不動産の価格に関する鑑定評価

※賃料は各論第3章の規定に準じて行うよう努める。

第1節 証券化対象不動産の鑑定評価の基本的姿勢

Ⅰ 証券化対象不動産の範囲

この章において「証券化対象不動産」とは、次のいずれかに該当する不動産取引の目的である不動産又は不動産取引の目的となる見込みのある不動産(信託受益権に係るものを含む。)をいう。

(1)資産の流動化に関する法律に規定する資産の流動化並びに投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資信託に係る不動産取引並びに同法に規定する投資法人が行う 不動産取引

→資産流動化に係る不動産取引、投資信託に係る不動産取引、投資法人が行う不動産取引

(2)不動産特定共同事業法に規定する不動産特定共同事業契約に係る不動産取引

(3)金融商品取引法第2条第1項第5号、第9号(専ら不動産取引を行うことを目的として設置された株式会社(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第2条第1項の規定により株式会社として存続する有限会社を含む。)に係るものに限る。)、第14号及び第16号に規定する有価証券並びに同条第2項第1号、第3号及び第5号の規定により有価証券とみなされる権利の債務の履行等を主たる目的として収益又は利益を生ずる不動産取引

証券化対象不動産の鑑定評価は、この章(各論第3章)の定めるところに従って行わなければならない。この場合において、鑑定評価報告書にその旨を記載しなければならない。 

「鑑定評価報告書記載事項Ⅳ」特定価格を求めた場合には、法令等による社会的要請の根拠                 

証券化対象不動産以外の不動産の鑑定評価を行う場合にあっても、投資用の賃貸大型不動産の鑑定評価を行う場合その他の投資家及び購入者等の保護の観点から必要と認められる場合には、この章(各論第3章)の定めに準じて、鑑定評価を行うよう努めなければならない。

→証券化対象不動産の賃料

証券化対象不動産の基本姿勢について

各論第3章第1節に規定する証券化対象不動産については、従前に鑑定評価が行われたものを再評価する場合にあっても、各論第3章に従って鑑定評価を行わなければならないものであることに留意する必要がある。 

Ⅱ 不動産鑑定士の責務

(1)不動産鑑定士は、証券化対象不動産の鑑定評価の依頼者(以下単に「依頼者」という。)のみならず広範な投資家等に重大な影響を及ぼすことを考慮するとともに、不動産鑑定評価制度に対する社会的信頼性の確保等について重要な責任を有していることを認識し、証券化対象不動産の鑑定評価の手順について常に最大限の配慮を行いつつ、鑑定評価を行わなければならない。

①依頼者、広範投資家重大影響

②社会的信頼性確保、重要責任認識

③手順最大限配慮

(2)不動産鑑定士は、証券化対象不動産の鑑定評価を行う場合にあっては、証券化対象不動産の証券化等が円滑に行われるよう配慮しつつ、鑑定評価に係る資料及び手順等を依頼者に説明し、理解を深め、かつ、協力を得るものとする。また、証券化対象不動産の鑑定評価書については、依頼者及び証券化対象不動産に係る利害関係者その他の者がその内容を容易に把握・比較することができるよう(比較容易性)にするため、鑑定評価報告書の記載方法等を工夫し、及び鑑定評価に活用した資料等を明示することができるようにするなど説明責任が十分に果たされるものとしなければならない。

①証券化円滑化配慮

②依頼者理解協力

③評価書比較容易性報告書工夫

④資料明示等説明責任

(3)証券化対象不動産の鑑定評価を複数の不動産鑑定士が共同して行う場合にあっては、それぞれの不動産鑑定士の役割を明確にした上で、常に鑑定評価業務全体の情報を共有するなど密接かつ十分な連携の下、すべての不動産鑑定士が一体となって鑑定評価の業務を遂行しなければならない。

共同鑑定→役割明確化、情報共有、密接十分連携→一体業務遂行 

第2節  証券化対象不動産について未竣工建物等鑑定評価を行う場合の要件

証券化対象不動産の未竣工建物等鑑定評価は、総論第5章第 1節Ⅰ2.なお書きに定める要件に加え、工事の中止、工期の延期又は工事内容の変更が発生した場合に生じる損害が、当該 不動産に係る売買契約上の約定や各種保険等により回避される場合に限り行うことができる。

証券化対象不動産については、不特定多数の投資家等の利益保護の観点から、建物が未竣工であることに起因するリスクに起因する損失が担保されていることが条件設定の要件とされている。未竣工建物であることに起因して想定されるリスクとしては、下記の例があげられる。

①請負事業者の破綻、天災等により、建物の工事が遅延、又は建物が竣工しないリスク

②竣工した建物が、評価の前提とした建物と相違することにより生じるリスク

①については、建物竣工の実現性に係るリスクであり、請負事業者の信用力、工事の完成に対する保証、建築工事保険等により、回避することが可能となる。

→設定した条件の確実性の確保。

②については、竣工した建物と評価の前提とした建物とが、結果として異なることとなった場合に生じるリスク(前提とした建物の評価額と、実際の建物の価格の相違)であり、売買契約における瑕疵担保や代金支払の約定等により、回避することが可能となる。

設定した条件と相違した場合における鑑定評価書の利用者の利益の確保。

「証券化実務指針」参照。 

鑑定評価を行うためには、資料を豊富に収集し、それらを比較検討することが大切です。

鑑定評価書の内容は、実質的に不動産鑑定士が自己の専門的学識と経験に基づいた判断と意見を表明するものです。

※アンダーラインを付した箇所は運用上の留意事項より抜粋

赤字の箇所は補足説明

字の箇所実務指針

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