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原告 〇〇〇〇
被告 〇〇〇
〇〇地方裁判所第〇民事部御中
〇〇〇年〇月〇日
準備書面(8)
〇〇〇都道府県○○区市町村〇〇〇丁目〇番〇号
原告 〇〇〇〇
訴訟代理人弁護士〇〇〇〇
(6)P7について
不要に議論を混乱させているとお怒りであるが、その意図が不明である。(14)①とは本件路線の駅距離に関する不正処理についてである。被告準備書面(3)にこの件についての記述は見当たらない。
(7)P9について
被告の違法行為は、土地評価基準違反の路線価評価及び画地評価に始まり、これと不実の基準地積決定(施行条例違反(職権更正不作為又は留保行為及び不適法な按分区域設定による按分義務不履行)に基づく換地設計基準違反(割付基準違反)を具体化した本件処分①(明らかな照応違反)である。
そして、同時に隣接神社への仮換地指定が本件従前地の一部に対し行われていることも違法である。さらに、詐欺による立木補償契約に基づき、本件従前地の一部を管理地として占有継続した行為も違法な不法占有行為である。そして、緑地整備するとの約定を無視し、荒地化させたうえで樹木を伐採し、最後には駐車スペースとした行為も契約違反である。なお、本件処分①の違法性が後続の本件処分②及び本件処分③へ順次承継されて今日に至る。
なお、これらの違法性につきこれまで何ら根本的な是正措置をとらず放置しているのも違法な不作為である。
3 補足
(1)整理前路線価の異常性(横の照応違反・公平原則違反)
事業開始時の公示価格を確認することで被告の為した不正評価を説明する。
〇〇〇年1月1日時点(仮換地指定1年前)の公示地2か所の価格を比較する。田畑(宅地見込地)に係る公示地(以下「公示地1」という。)と既存住宅地に係る公示地(以下「公示地2」という。)の位置関係は図(甲)に示すとおりである。
各公示地の価格時点における土地利用状況は次のとおりである。
まず、公示地1は都市計画道路〇〇線予定地至近の畦道に接する田畑で、〇〇公園予定地に近接し、当然ながら水道設備もない土地(甲)である。
次に、公示地2は〇〇団地内で〇道からの入口付近に位置する既存住宅地で、水道完備(引込済)の土地(甲)である。
両価格とも価格時点では本件事業が施行されていることから当該事業計画による価格形成要因のみならず事業区域外の価格形成要因(特に、〇〇橋竣工を前提とする駅までの都市計画道路〇〇線開通に係る予測が最大要因)を反映したものである。
公示地1の価格は宅地見込地の価格として40,000円/㎡(甲 )、公示地2の価格は83,000円/㎡(甲)とされ、その格差率は、2.075(83,000/40,000)であり、2倍以上の開きがある。これに対し、被告のなした評価では、前者が520点、後者が730点であるから、その格差率は1.404(730/520)であり、4割程度の開きにとどまっている。この違いをみただけでも被告の評価がいかに真実に反するものかお分かりいただけよう(注1)。
後者の730点に対し、前者は本来であれば352点(730/2.075)でなければならない。実に48%((520/352)-1)もの嵩上げを行っているのだ。
両公示価格にどの程度事業外要因や本件事業要因が反映されているかは定かではないが、前者は都市計画道路〇〇線至近であり、新設区画街路(幅員6M)の整備、新設公園の設置や水道管の新規敷設等将来の価格上昇期待値は、後者より遥かに高い(注2)と判断される。
したがって、事業外要因、本件事業要因を排除して両公示価格を補正することで整理前の適正格差率を算出すると2.075の格差率はさらに広がるものと考えるのが相当である。
また、本件路線の標準画地(路線価)と公示地2の対比については次のとおりである。街路条件については、前者が旧来の〇道で唯一のバス通りであるのに対し、後者は小規模団地内の未舗装私道であることから、幅員、種別、系統連続性、方位等で前者が大きく上回り、接近条件では優劣階差は殆ど見られず、環境条件では両者とも水道施設が完備されている点では共通するが、住宅地としての快適性ではやや喧騒感の強い前者が劣る面は否めないものの、その利便性の高さから店舗兼用住宅が建ち並んでいる実態を考慮すると住宅地とはいえ商業収益性に係る優位性は看過し難い。
また、画地の標準的規模の点でも前者がかなり優位にあると見られる。最後に行政的条件では後者が用途の多様性の点で上回ると見る余地があるものの、本件路線の環境面、すなわち店舗兼用住宅が建ち並んでいる状況や実効容積率を考慮すると階差は殆どないものと判断できる。
また、被告のなした路線価格差率1.370(1000点/730点)は環境条件を除き(注3)相当な格差が反映されていると判断できることから、これに上記の環境条件格差を考慮のうえ総合すると、本件路線価は、低く見積もっても120,000円/㎡程度と思料される。
よって、公示価格ベースで対比すると本件路線価は公示地1の路線価の3倍程度と推認され、上述のとおり公示地1の価格上昇期待値は、本件路線より遥かに高い(注4)ことから、事業外要因や本件事業要因を排除することにより両価格を補正して整理前の適正格差率を算出すると当該格差率はさらに広がるものと考えられる。
にもかかわらず、2倍を切る格差率(1.923(1000/520))に抑えられた処理は到底容認できるものではない。
以上のように、被告の付した整理前路線価は真実に反すること甚だしく、公正価値に基づく各路線間の適正な格差を無視した強度の違法性が顕在化している。これはまさに公平原則逸脱による横の照応違反に通じるものである。
なお、公示価格とは、一般取引の指標あるいは公共事業における規準としなければならない価格(地価公示法)とされているのであり、不動産評価の専門家たる複数の不動産鑑定士が評価したものを考慮し、国家が決定した価格で、将来予測をも反映させた正常価格である。
また、詳細情報(甲〇)にもあるとおり、公示地1は水道未整備として取り扱われ、公示地2は水道が完備されたものとして取り扱われて(注5)おり、これらを所与として値付けされたものが各公示価格である。
要するに、水道引込の事実は土地価格に織り込まれ、取引の指標あるいは公共事業による買収価格の規準とされているのである。既存の価値を無視されたうえに、新たに減歩されるいわれはないのである。
このように、真実に反する不正評価、簡潔にいうなら宅地見込地の価値を過大に、既存住宅地の価値を過小に扱ったうえで行われた換地設計は必然的に横の照応違反となるものである。
(注1)公示地は当該地域の標準地とされるものであり、相対的に個別性の少ない土地が選定される。よって、公示地の価格がその路線価とされるのが通常である。
(注2)公示地1が〇〇線開通の便益をより大きく受けるのはその位置関係から常識的にも明らかである。また、近くに本件事業による新設公園開設も予定され、水道管の敷設が予定されることから公示地2に比し、遥かに価格上昇期待は大きい。
一方、公示地2は既に住宅地としての利用状況が具現化していた土地で、旧来の〇道に近接し、唯一のバス通りであった本件路線にもほど近くバス利用も可能なエリアにあった。よって、主たる事業外要因の都市計画道路開通による駅への接近性向上期待値は左程大きなものではない(本件路線(〇〇橋経由)利用によるアクセスと大差ない。)しかも新設公園も遠く、水道引込も完了済で相対的な価格上昇期待は小さい。
(注3)両者とも水道完備の状況であったにもかかわらず、3ポイントどころか1ポイントすら付されていないこと等宅地係数は同等の扱いであることから適正な格差率への不正な影響は軽微である。
(注4)公示地2に比しても本件路線の価格上昇期待値が低いことはいうまでもない。ちなみに被告の為した評価においても本件路線が1.120(1120/1000)で公示地2が1.178(860/730)とされている。
(注5)公示地2も本件路線の既存住宅地と同様に引込を完了していた土地である。このように自費により給水装置を備えた土地は水道設備完備の土地として、その状況を所与として取引価格が決定されるのである。当該給水装置による水道使用権を留保して土地を売却する(当然、その分減価する。)ような売主は通常いない。要するに、一度引き込んだ水道設備は土地の効用(価値)を高めるものとして土地に付随して取引対象とされるものである。
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