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土地区画整理事業/専門家相談事例回想録‐vol.62

お客さまからご相談いただいた、ある土地区画整理事業の事件概要をご紹介します。掲載にあたっては、お客さまのご承諾をいただいております。

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〇〇〇年(〇)第〇〇号

原告 〇〇〇〇

被告 〇〇〇 

〇〇地方裁判所第〇民事部御中

〇〇〇年〇月〇日 

準備書面(10)

〇〇〇都道府県○○区市町村〇〇〇丁目〇番〇号

原告 〇〇〇〇

訴訟代理人弁護士〇〇〇〇

⑥ 被告訴訟代理人は強減歩は補償規定がないから補償不要であり、憲法にも反しないとおよそ法律の専門家とは思えない短絡的な見解を示している。これは明らかな法解釈の誤りである。

以下、強減歩に対する補償の明文規定がない理由を説明する。

まず、強減歩は宅地適正化対策のための一手段であり、それ以外の目的では許されない。法における強減歩の位置づけは、次のとおりである。

ア 法第91条(宅地適正化)は、同条第1項に記載されたとおり行政施行の場合にのみ認められるものであり、かつ「特別な必要があると認められる場合」にのみ認められるものである。つまり、例外的な措置として規定されているのである。※組合施行、個人施行等では認められていない。

イ 宅地適正化は原則的には上位に位置する第3項の共有換地、第4項の換地不交付によるべきというのが立法趣旨と解される。

ウ 強減歩は同条の最後、第5項に配置されていることからも、立法者は積極的な活用を予定しておらず、しかも第1項に重ねてさらに「特別な必要があると認められる場合」と2重に警告を発していること。

よって、強減歩は極めて例外的な場面において、必要やむを得ない公益上の理由がある場合にのみ、いわば保険的な意味合いで規定されているものと解される。※この規定がないと、万が一の場合に拠りどころがなくなる。

したがって、その適用場面は極めて限定的で一般的ではないことから明文化した補償規定を設けていないものと考えるのが素直である。ちなみに明文化された補償規定はすべて一般的なケースを想定した規定である。また、逆に明文化すると安易に強減歩が適用されてしまう事態が懸念され(注)、敢えて明文化を回避したとも考え得る。

もっとも、上記のとおり、換地不交付に準じる程度に及ぶ強減歩の場合には、換地不交付となる部分を特定し、当該部分につき換地不交付に準じて仮清算又は使用収益補償を要する。決して無償収用を認めるものでないことはいうまでもない。

(注)そもそも強減歩は憲法の財産権保障上の問題がある。具体的には次のとおりである。

本人同意を要せず、強権発動に服従させる点で、収用と同じであるが、公益上やむを得ない場合であっても、収用のように当該部分が直接公共用地とされるわけではなく、他の地権者のために過剰に減歩されるのである。いわゆる財産の横流し、つまりAさんの土地(財産)を強制的にBさんの土地(財産)とされてしまうのである。

したがって、その権利変動の態様は、被減歩者にとっては、収用を上回るほど犠牲的である。

整理前後の変化を最小限にとどめるべき区画整理において、強減歩は極めて異例的な措置であるから、その適用に立法者が消極的であることは容易に判断される。なお、被告がいうような補償を要しない趣旨というのは明らかな法解釈の誤りであり、補償の必要性は減歩の程度にもよるが同意に基づく換地不交付と基本的には同じである。同意のない強減歩に補償を要しないとする見解には、まったく論拠がない。また、法があらゆる事態を想定して規定するのも不可能である。

⑦ 減歩が補償を要しないことを判例をもって説明しているようだが、通常の減歩と本件を同列に考えている点がそもそも失当である。被告が説明するまでもなく、“受益に対応”する減歩については、補償不要である。

(5)P6(後半)について

① 本件土地評価基準採用の裁量とその適用方法、すなわち個々の詳細な事実の把握における裁量とは別問題である。被告の主張は、土地評価は施行者の裁量事項であるから施行者がさじ加減で決めても良いとするものであり失当である。それが正論なら基準自体不要で何ら存在意義がない。

② 被告の主張は、形式的に評価員を置き、基準を定めたことのみをもって客観性、公平性の証とする短絡的なものであり、失当である。

中身があまりにも杜撰極まりないことはこれまで十分説明してきたとおりである。

(6)P7について

① 本件路線価の上昇率(12%)が相対的に低いのは受益が少ないのだから当然である。もっとも、12%の受益もなく、減歩されるいわれもないというのが原告の主張でこれまで丁寧に説明し、証拠をもって立証してきたとおりである。被告の反論は、何ら証拠の提出もなく、説得性がない。単にケチをつけているだけであり、専門家らしくない。もっと、科学的に論証すべきである。

② 1路線を対比すれば、全域が不正評価で埋め尽くされているものと想定できる。また、事業外要因をすべて排除したとは言っていない。ケチをつけるだけではなく、施行者なのであるから、科学的に、証拠をもって反証すべきである。

なお、準備書面(8)で公示価格を証拠に被告の不正評価について論証したところである。被告には、説得力のある科学的な反証を期待したい。

③ この醜く歪化された地形を不整形ではないというのは、あまりに社会通念とかけ離れているといわざるを得ない。どういった基準でその判断が下されたのか説明すべきである。基準には明確に不整形減価が規定されているのである。

現仮換地も妥協案も正方形な画地も長方形な画地もすべて同じ扱いというのはまったく合理性を欠くものである。これも裁量というのか。その感覚は到底容認できない。

④ また、u値、用途地域については、何を説明したいのか判然としない。要するに、何が何だか分からないということであろう。

(7)P8について

① 冒頭の「損害も生じていない」との記載も債務承認である。

つまり、地権者に対し、これから清算金で損害を補填するとの期待を抱かせるものである。事実として、損害は日々累積しているのである。

② 既述のとおり、各照応要素は被告がいうような完全独立の関係ではない。

よって、議論にならないので今さら詳細な反論は割愛するが、コンテナは単なる置物であり、用途地域変更の恩恵など受けていない。

(8)P9について

① 妥協案とは大きく異なる醜い地形が強要された事実は証拠(甲51)に示したとおりである。

② 区画整理によって、形状が悪化するようでは話にならない。美しく、整形化するのが区画整理の筈である。単に不恰好にされただけで、しかも、不整形減価すらないようではあまりにも酷すぎる。

③ u値変化率、防火保安性向上率や上水道加算の一律処理の違法性は既述のとおりである。公示価格による適正格差率との尋常ではない乖離について、被告は科学的に反証しなければならない。

④ 被告のいう照応とは何か。照応適否を論じる前に、施行者らしくその意義を明確にしなければならない。

⑤ 増進率、比例率、按分率等縷々独り言のように自画自賛するだけでは何ら説得力がない。まず、裏付けとなる証拠を提示せよ。司法におかれても困惑してしまうであろう。

(9)P10~11について

① 按分留保地積が公共用地でも保留地でもないなら何処へ行ったのか。土地は物理的に消失するものではなく、永続性を有するものである。その点、施行者らしく説得力ある説明をしなければならない。

② 按分区域の設定が不適当であったからこそ、あるいは留保行為や更正義務の不履行により損害が肥大化したのである。また、団地を按分対象外にしたと後付しているが、そもそもそのような処理を施行条例は許していない。被告が条例を無視して、専断により地積決定を行っている証左である。地積決定方法に自由裁量がないことは判例の示すとおりである(広島高裁平成元年10月27日)。

③ 更正が裁量であったとしたら、結果的に裁量を誤ったということである。職権を発動していれば、このような事態は招来していない。無償収用主義だから黙殺したと正直に認めた方が賢明である。見苦しい限りだ。

④ 清算金算定日が工事概成時であると漸く白状している。ただし、それでは工事概成時ではなく事業完了時であり、土地評価基準違反である。

⑤ 裁判長の質問に対し、仮換地変更は行わないと回答したにもかかわらず、またしても平気で嘘をついている。司法の場においてまで嘘をつくようではその虚言癖は重症である。

⑥ 照応させる義務は施行者の義務であり、地権者の義務ではない。換地変更を要するなら、必要な手続きは施行者が行うべき(注)であり、原告には何ら義務はない。また、未だに仮換地を頻繁に修正、変更しているが、仮換地はそのように安易に変えるべきものではない。これも法の不知、無視によるもので、本件のような場合にこそ施行者責任により可能な範囲で行うべきものである。

(注)被告は従前、換地変更したければ自分で隣接者の同意書を貰って来いと原告に対し行政指導を行った。

以上

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