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土地区画整理事業/専門家相談事例回想録‐vol.76

 

お客さまからご相談いただいた、ある土地区画整理事業の事件概要をご紹介します。掲載にあたっては、お客さまのご承諾をいただいております。

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〇〇〇年(〇)第〇〇〇〇号 損害賠償請求控訴事件

控訴人  〇〇〇〇

被控訴人 〇〇〇 

準備書面(3)

〇〇〇年〇月〇日 

〇〇高等裁判所 御中

〇〇〇都道府県○○区市町村〇〇〇丁目〇番〇号

控訴人 〇〇〇〇

訴訟代理人弁護士〇〇〇〇

 

8 5頁6行目から7行目までの記載について

従前の筆に対応(照応)する従後の筆が付与されない場合の、当該従前の筆は換地不交付として取り扱われるのは実務上の基本である。これは従前筆を分筆したか否かにより区別されるべきものではない。

9 5頁31行目から33行目の記載について

審議会委員の中で変更理由を理解した者は皆無である。あたかも控訴人が非常識で、常識人なら誰でも理解できるような理由を示したかの如く説明しているが、どのように理由を示したのか法廷で再現するがよい。

何ら根拠も示さずに変更すると報告しただけなのである。

10 6頁1行目から3行目までの記載について

平均減歩率より低い減歩率であるから評価が適正であったと結論づけているが、あまりに短絡的かつ稚拙な論理である。

11 6頁13行目から14行目までの記載について

地積については前述のとおりである。現に妥協案に示された地積は現仮換地を大きく上回るものである。

しかも地積に配慮したことから不整形な地形を敢えて示したに過ぎない。すべて被控訴人の提示した仮換地の地積決定が正しいものであろうと、すなわち適正な按分地積及び適正な受益率に基づくやむを得ないものであろうと盲信したことに起因するのである。

12 6頁16行目から17行目までの記載について

冒頭で説明したとおり、被控訴人の按分法が不適切であったことは、自らが提出した乙第25号証により証明された。結果の妥当性が伴っていない以上、過失責任を負うのがプロの宿命である。

13 7頁4行目について

審議会で説明したとする変更理由については、法廷で再現すべきである。控訴人の問いかけに対し、本書においても説得力ある理由は何ら示されていない。理由が示せないのは評価が杜撰であったことを裏付ける何よりの証である。

14 7頁10行目から12行目までの記載について

もともとこの部分の論点は違法性の有無であった。違法性ありなら損害賠償であり、違法性がないなら損失補償である。横の照応、つまり平等原則に反すれば違法であり、損害の立証により損害賠償請求も可能なのである。

にもかかわらず、被控訴人は横の照応問題は損害とは関係ない旨の無意味な反論を繰り返し、混乱を招来させたのである。

15 7頁13行目から18行目までの記載について

縦の照応と横の照応が相互補完の関係にあるかの如き説明をしており失当である。両者はそれぞれが守られなければならない区画整理の規範であり、相互に補い合うべき関係にあるのではない。

また、清算金が横の不照応を補う絶対的なものであるかの如く説明している点も失当である。やむを得ない(照応原則を逸脱しない範囲内での)不均衡是正を補うものが清算金である。

なお、被控訴人が考えている清算金額の水準は、あるべき損失補償額の水準(適正な時価)には遠く及ばない。

もっとも、「縦の照応が保たれれば、・・・失当なのである。」との論理は暴論である。法の専門家らしく、説得力ある理由づけをしなければならない。担当裁判官はその点を求めていたのである。

総じていえば、損失補償に係る被控訴人の思考は、あくまで本件事業の枠組内にとどまる内向きのもので、区画整理の理念や憲法を含む法体系における損失補償の精神を看過するものであり失当である。木を見て森を見ない思考力の欠如は如何ともし難い。

16 7頁26行目から28行目までの記載について

控訴人は、鑑定理論を駆使するまでもなく、素人でも首肯できるレベルで損害額、損失額を証明したに過ぎない。

17 7頁33行目から34行目までの記載について

別路線の路線価の問題は、評価の違法性の立証に係るものである。これは、縦の照応及び横の照応の両者に影響する重要事項である。違法があれば損害賠償なのであるから重要な論点であり、被控訴人の見解こそ失当である。

18 7頁35行目から8頁6行目までの記載について

このような説明を繰り返しているようでは担当裁判官の理解は得られまい。担当裁判官はまさにこの点の説得力ある説明を求めていたのである。

それは事業を超えた損失補償の理念との関わりをも明らかにすべきことを含む趣旨である。何度でも繰り返すが、本件において、事業による従前従後の資産価値が等価でないことは明らかである。

その差を埋めるものが被控訴人のいう清算金であれば、当該清算金で事業により喪失した分を取り戻すことが理論上可能でなければならない。

これは実勢取引価格レベルで求められた金額、すなわち時価であることを要する。ところが、被控訴人の考える本件清算金額の水準はこれを大きく下回るものである。

それではなお不足する金額について、何ら帰責性のない被害者が請求しえない論拠は何か。それを明らかにせよと言っているのである。

ここで帰責性ありと反論するのであれば、期限内申請しなかったことに主因を求める外ないのであろうが、いささか説得性を欠く。仮に、施行条例に期限内申請しない場合、土地所有権の一部放棄が擬制される旨の規定が存在したとしても、そのような規定は違法にとどまらず、違憲であることが明白だからである。

19 8頁7行目から11行目の記載について

「登記の増歩分」について、矛盾する主張を繰り返している。当初、本件のような事態に対応するために按分すべき地積を留保していたのだと大見栄張っていたかと思えば、今度は他の地権者に配分してしまったと言っている。被控訴人の主張は、相変わらずその場凌ぎの一貫性を欠くものである。

20 8頁28行目から30行目までの記載について

ここでも鑑定理論を駆使するまでもなく、素人が難なく首肯できるよう説明したのである。2路線比較でも評価の杜撰さは十分立証可能である。事業外の要因を排除すべきは当然である。遠隔路線同士の比較は簡単ではないが、控訴人が挙げたものは本件路線に接続する路線との比較であり、事業外要因の影響格差は無視しうる。

なお、ここで立証したのは横の照応欠如であり、縦の照応欠如ではない。損害額の算定にあたっては、あれなければこれなしの論理で算出しうるものであるから、事業内外の要因を区別して取捨選択することを要しない。

なお、補足として路線価に影響する事業外要因を次に掲げておく。

(1)駅東口環境整備(〇〇新道、都市計画道路〇〇線、〇道〇〇号線、駅前広場整備、〇〇区画整理等)  

本件事業開始時から〇〇年の〇〇橋竣工時までの期間における〇〇神社付近(〇〇橋は含まない。)から駅までの区間の環境整備(駅前広場整備を含む。)には目覚ましいものがあった。

この事業外要因における本件事業区域内各路線への価格上昇効果は非常に大きいものがあったと考えられる。

もっとも、その影響の程度は各路線ごとに均一ではなく、その位置関係から黒浜線が最も影響を受け、〇〇橋から遠ざかるに従いその影響度は逓減していくものと思料する。

本件路線も相対的な影響度は決して大きくはないものの、バス通りのルートが変更される等の実態的な変化にとどまらず、駅東口における相当な範囲で行われた街区整備等により事業開始当初は価格上昇効果を受けたと考えられる。

(2)下水道事業(公約で減歩対象から除外されていることから事業外要因とする。)

本件事業と並行して行われた下水道事業について、受益者負担金が課されていること、そもそも減歩対象とするのが適法か否か、公約で減歩対象から除外されていること等を考慮外とすれば、本件路線も他路線と等しくその価格上昇効果を受けたものと考えられる。

21 8頁31行目から9頁1行目までの記載について

これでは基準がまったく意味をなさない。あの全体形状をもって不整形減価を要しないとするのは恣意的判断を正当化するのと同じである。

また、形状の判断は訴外相続人分を含め、〇が生前受けた仮換地全体を基礎にして行うべきものであり、個別の筆単位で決定づけるべきものではない。  なお、施行後の土地に対しては一切不整形減価をしないのだから同一基準により平等である旨説明しているが、法の専門家とは思えない暴論である。

平等の意味を再確認されたい。同一基準とは、個別に不整形の程度が同じであれば同じ減価率を適用するということを意味し、整形地も不整形地も一切減価しないというのは同一基準とは言わない。

22 9頁15行目から16行目までの記載について

正確に記載するなら、「・・・〇の要望どおりにしなかった結果であることに疑いの余地はない。」である。

23 以下については、これまで控訴人が主張してきたとおりであるから割愛する。

四 明示的一部請求の訴え(最一判平成25.6.6)について

原審における結審に際し、時効の問題について口頭で掲げた判例は上記のとおりであるから念のために記しておく。

以上

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