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〇〇〇年(〇〇)第〇〇〇号 上告提起事件
上告人 〇〇〇〇
被上告人 〇〇〇
上告理由書
〇〇〇年〇月〇日
最高裁判所 御中
〇〇〇都道府県○○区市町村〇〇〇丁目〇番〇号
上告人 〇〇〇〇
訴訟代理人弁護士〇〇〇〇
四 争点四「損失補償請求権の存否」について、原判決は、本件処分に違法性がないことを前提に、法の定める損失補償について一定の解釈を示したうえで、本件において補償不要と結論付けた。
これまで反論してきたとおり、そもそも本件処分に違法性なしとの前提において失当であるが、ここでは、議論が混乱しないよう主題を“適法行為に基づく損失補償”とし、敢えて〇〇〇の行った評価等が適正で本件処分に違法性がないと仮定したうえ次のとおり反論する。
公共事業によって土地使用制限(都市計画法に基づく一定の建築制限を除く。)が課された場合における当該使用制限期間に生じる損失の補償については、補償額の多寡を巡る争いに係る判例は多数存在するものの、補償が一切不要だとされた判例は存在しない。控訴人らは、本事業によって、長期に渡って不当な土地使用制限を強いられているにもかかわらず、法及び施行条例には、本訴えに係る継続的な損失に即応した補償規定がないことから、何ら補償を受けていない。
原判決は、要約すれば法に規定がないのであるから、特別の犠牲ではなく、補償は不要で受忍すべきとし、損失額の大きさに照らして短絡的に過ぎる見解を示すにとどまる。法や土地収用法その他の法令に類推解釈の余地もないのであれば、それは法の不備であり、その場合は直接憲法29条3項を適用すべきである。(最高裁昭和37年(あ)第2922号同43年11月27日大法廷判決・刑集22巻12号1402頁参照)
(補足説明)
まず、法は本件のような異常事態、すなわち従前従後において土地の経済価値(価格)の格差が甚大となるような事態を想定していない点を強調しておきたい。施行条例も然りである。
したがって、原判決は、前段で法101条各項に定める補償の規定について、補償を要する場合を限定的に列挙したものと解している点で失当というべきである。
なぜなら、確定実測を行っておらず、土地の範囲すら確定していない従前地に対してでさえ、仮換地の使用収益ができない場合等には従前地の使用価値を“抽象的”に算出(注)して、損失補償することを要求しているのに対し、本事件のように確定実測に基づき登記されたことにより使用価値を“具体的”に算出できる従前地に対しては損失補償を不要とするのは整合性を欠き、甚だ矛盾がある。
(注)一般的には評価対象地である従前地の境界が確定していない場合が多数を占めるであろう。したがって、この場合公図等から形状を判断し、公簿地積等から定めた概測数量により評価せざるを得ない。この点で、損失補償に係る地代等の評価は“抽象的”と表現したものである。
なお、仮換地指定による期間損失に対しては、「通常生ずべき損失」を補償しなければならず、その金額の算出にあたっては土地収用法72条の考え方が妥当し、従前地の使用価値はその地代相当額とされる。(近時の判例として、青森地裁、平成26年(行ウ)第3号、平成28年2月19日判決がある。(その他判例多数))
次に、法は、従前従後における経済価値(価格)の均衡等を要請する照応の原則(法89条1項、98条2項)を存立根拠としており、(仮)換地の地積は、換地設計基準に示される換地設計式から明らかなように、従前従後における交換価値が等しくなるよう決定される。
したがって、原判決中「利用価値の減少が生じたか否かを吟味して損失補償の対象とすることはせず、」という部分は蛇足に過ぎない。
つまり、そもそも利用価値算定の基礎となる交換価値に減少が生じないよう換地設計がなされなければならないのであるから、利用価値の減少がないのは自明なのである。もっとも、原判決中「換地の交換価値が従前地よりも減少している場合」の「差額」とは、測量誤差等技術的な制約から生じ得る軽微な差積に相応した金額で通常少額である。控訴人らはこのような差額に相応する期間損失についてまで補償せよと主張しているのではない。
さらに、原判決中「換地の交換価値が従前地から減少する場合」の「前記補償措置」とは、上記技術的な制約から生じ得る軽微な価値減少に対する清算金及び事業地区全体における従前従後の価格差に係る減価補償金を指していると考えられるが、法の規定するこれらの補償措置は、本事件のような仮換地指定後に登記されたいわゆる縄伸地積の問題に対応したものでないことは明らかである。なぜなら、本件処分に際して換地設計式に適用された地積には、地積更正による増歩分は反映されていないからである。
にもかかわらず、原判決では強引に条文の適用を図っていることから論理性を欠く。少なくとも本事件の地積更正による増分(701.11㎡)のうち562.88㎡(違法評価等を敢えて適正とした場合)の所有土地に係る使用収益に係る損失は、受益に対応する筈の減歩によって生じたものではない。原判決は「交換価値の減少分に対応して抽象的には利用価値の減少が観念できる」としているが、抽象的に観念できるといい得るのは、あくまで受益に対応する筈の減歩により生じ得る利用価値の一時的な減少分、換言すれば事業による受益が顕在化するまでの一時的な利用価値の減少分のみを指すのであって、それを縄伸に係る損失と同一視している点で論理性を欠き失当である。
本事件においては長期に渡って埋没を余儀なくされた私有財産が実測及び更正登記によって顕在化し、証明されたために“具体的に利用価値の減少が観念できる”ものとなったのである。本訴えに係る損失は何ら抽象的なものではなく、あくまで具体的な損失であり、経済実質の観点からは法101条各項の適用により従前地の使用価値に相応する地代相当の補償(土地収用法72条の適用)を要する場合と何ら異なるところはない。
ただし、顕在化し、証明された時期が異なるだけである。第一審及び原審においても裁判長は仮換地変更(増換地修正)について、その可否を〇〇〇職員(指定代理人)に問うていたではないか。〇〇〇指定代理人は今さらできない旨答えていたが、それは裁判所においても損失が生じていることが明らかだと、つまり具体的に利用価値の減少が観念できたからに他ならない。
法の予定していない損失が顕在化、具体化し、今なお日々累積しているのであるから、非論理的に「抽象的」だとして損失を黙殺すべく解釈するのは憲法が掲げる財産権保障の理念に著しく反し、妥当性を欠く。憲法を中心とした法体系に照らし、法の趣旨をよく吟味したうえで類推解釈の途を模索するのが相当というべきであり、単に書いてないから補償不要とするようでは裁判の意義を疑わざるを得ない。
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